Tanren塾塾長体芯力®︎マスタートレーナー鈴木亮司です。
今、読んでいる書籍の紹介です。
『トップアスリートに伝授した勝利を呼び込む身体感覚の磨き方』
著者:小山田良治 小田伸午
この書籍の中で興味深い内容がありました。
以下抜粋
日本の競歩がリオデジャネイロオリンピックで初めてのメダルを獲得しました。指導者として選手の大躍進を支える今村文男コーチの指導哲学は”頑張り切らない練習で強くなる”です。
中略
今村コーチはフォームが乱れてきたら、心拍を落としなさいと言います。
追い込まないと選手は強くならないと信じ切っている選手たちに、正しいフォームを維持できるギリギリの負担度で歩かせる練習方法の成果は、次第に試合で現れて、選手は今村コーチの斬新な練習方法についていくようになったそうです。
今では、選手たちは頑張るのは簡単、制御し続けるのは困難とい境地に達しているのです。
マラソンでも、ケニアの選手は、研究室で最大酸素摂取能力の測定をしても、限界まで走らないと聞きます。最大酸素摂取量は限界まで走らないと出現しない。
そこで研究者は、あと1分、もう1分と選手を追い込みます。
しかし限界に近くなったらトレッドミルから、さっと降りて走るのを辞めてしまうというのです。
ケニアでは、倒れるまで走るということは、ライオンに食われてしまうことを意味するのです。
限界まで追い込まない選手が世界で1番速い。
スポーツ競技に取り組む学生が集まるゼミでこの話をしたら、女子水泳選手が手を挙げました。「がむしゃらに追い込んでいた時はタイムが伸びずに、9割の力で正確に水をキャッチする練習に変えたらタイムがどんどん伸びてきた」と。
倒れるまで練習することが美徳としてきた日本の競歩選手が、コントロールという革命を起こしました。
追い込むのか、ギリギリのコントロールか。このテーマの持つ意味は深い。
体力的には追い込む形がつくのだと思いますが、これも案外そうでもないことが様々な研究の中から知りました。
追い込むことが強い精神を作るのだということも、そうでもないこともわかりました。
何に基準を持つのか。
ということになるのでしょうね。