Tanren塾塾長 鈴木亮司です。
足の筋力をつけようとすると「膝を伸ばす筋トレ」をイメージしますよね?
僕もかつてそのように理解して筋トレをたくさんやっていました。スクワットでは200キロ近い重りを持ち上げ、ジャンピングスクワット100回×3セットとか….
その結果太ももは60センチ以上なり、下半身を鍛えるマシンはマシンの最高重量まで持ち上げられるくらい筋力がつきムキムキになったのですが…
実際のスポーツでの身体の安定感や力が強くなった感じも無く、膝のぐらぐらする感覚は改善されず、膝は相変わらず痛いまま…
脚の筋肉を鍛える事に疑問を持ち始めました。
逆に足が細いのに脚力があったり、バランスが良かったり、怪我をしない人を見て
「ひょっとして足の太さや筋力は関係ない可能性があるのでは?」
と思うようになりました。
このような現象の1つの参考データとして(小林寛道先生著書若返りウォーキングより抜粋)静岡県で実施された大腰筋のトレーニングの効果の検証結果があります。
平成17年に40~80歳の男女141名を対象に週に2回3ヶ月の大腰筋トレーニングを実施したところトレーニングの前後で大腰筋の断面積が10.1%増大していました。
そして注目すべき点は
膝を曲げ伸ばしするトレーニングをしていないにも関わらず数字がわずか3ヶ月という期間で膝を伸ばす筋力が平均で35~37%向上していました。
膝の筋力をつけるには膝の曲げるトレーニングを行うことが効果的だと思いますよね。しかしこのデータから考察すると
「大腰筋を強化すれば脚の筋力は向上する。」
と言えそうです。
で、その大腰筋ですが身体の何処にあるのかというと鳩尾の辺り(背中側)から腿の付け根についている筋肉で、体幹部の最も深い場所についています。いわゆるインナーマッスルです。
上半身と下半身を繋ぐ唯一の筋肉です。
では何故、大腰筋が強化されると脚を伸ばす筋力までも向上するのか?
ということですがこの先は僕の推測になってしまいますが、大腿神経という神経が関係していると思います。
大腿神経は大腰筋と太ももの前側(膝を伸ばす筋肉)を支配しています。
(他にも支配している筋肉はたくさんありますが)
脚力というと外から見える太ももの筋肉に目がいってしまいますが、内部の構造を知ると、外見だけでは判断できないといえそうですね。身体は繋がっていることを忘れてはいけないということなのかもしれませんね。
ここから新たな考察ですが、大腰筋はからの他の部位にも影響を及ぼしているのではないか?ということです。
それはまた別の記事で書きたいと思います。