Tanren塾塾長体芯力®︎マスタートレーナー鈴木亮司です。
「この動きを良くするには○○を意識して〜」
「ここに力を入れて!」
という運動の指導を目にすることがありますね。
「動きが悪いのは筋肉が無いから」
「速く動けないのは筋力が無いせい」
そう考えて弱い部分や使えていない部分に意識を向けることをします。
しかし
これが解決になるのでしょうか?
実はこのような実験は1960〜1970年代にかけてアメリカで取り組まれたことがありました。
その結果が以外のような内容です。
小林寛道先生の著書「運動神経の科学」より以下抜粋です。
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イメージから動作を変える
1960〜1970年代にアメリカでは、独創的かつ科学的な教育方法と指導実績によって全米体育アカデミー賞を受けたLEシュヴァイガルト氏を中心に「動きの教育」について真摯な取り組みが行われました。
動きの教育とは、ダンスを主な対象に、ゆがんだ姿勢をどう矯正し、理想的な動きを作っていくかというトレーニングに関するものです。
その研究によれば、動作や姿勢を改善しようとするとき、意思を用いた(つまり「意識筋」による動作を用いた)矯正運動では、従来の癖によって、改善どころかさらに頑固な癖が形成されてしまうといいます。
さまざまな実験結果から、動作の矯正は、筋肉からではなく「動き」をつかさどる中枢神経系に働きかけるのが効果的であると結論付けられました。
では、「動き」をつかさどる中枢神経系へは、どう働きかけたらよいのか。
その方法は、個々の筋肉活動の様子ではなく、「動き」そのものを頭の中に描き、身体を動かさずにイメージだけで神経と筋肉の調節能力を変えていくというものです。
これは「観念運動」と呼ばれ、現在のイメージトレーニングの内容に似ています。
シュヴァイガルト氏の研究から導き出された結果は、動きの改善をしようとするときには、筋肉活動そのものに意識を向けるのではなく、動きの「観念」(イメージ)を頭に描いて、筋肉をリラックスさせ、「観念」の動きによって筋肉と神経系の望まして関係を構築させることが効果的であるということです。
以上
部位を意識して動作をすると良くなるどころか変な癖がついてしまったり、動きが悪くなったりする、という結果が出たということです。
筋力トレーニングの際に
「○○筋を意識して〜」
というようなことをしていると意識する癖がつきます。
そうするといざスポーツ動作などをした時には、みについた意識する癖が出て、動きが悪くなることが起こることが予想されます。
筋肉を意識するという考え方は、筋肉を大きくする、という観点では効果的だと思います。
狙った筋肉を使うようにして、他の筋肉には参加して欲しくないわけですからたいわけですから。
逆に動作の場合には、なるべく多くの筋肉が働いて欲しいわけです。
少し極端な分け方をすれば
動きを良くするトレーニングと筋肉をつけるトレーニングは別物だと言えます。
「筋トレをするとパフォーマンスが下がる」
「筋トレをするとスピードが落ちる」
など様々な意見が飛び交うわけです。
一つの分け方としては、
トレーニングの目的が、筋肉をつける為なのか?動きを作るものなのか?という考え方次第だと言えます。