ストレッチング後は筋出力が低下する?

Tanren塾塾長体芯力®︎マスタートレーナー鈴木亮司です。 

「ストレッチは怪我の予防に効果的だから運動前にはストレッチが良い」

という認識があると思います。

「ストレッチ」

と一口に言っても様々なストレッチの方法がありますが、今回は代表的な止まって行う「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」についてです。

静的ストレッチングの主な効果として

・関節可動域の拡大

・心理的効果(リラックス)

が挙げられます。

しかし何事にも長所もあれば短所もあります。

この静的ストレッチに関して「筋力発揮」
という視点で観た時、参考になる研究報告がありましたので、紹介紹介いたします。

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ストレッチングが筋力や筋パワーに及ぼす影響を調べた42論文(総計1,606人)をレビューしたBehmらによると等尺性筋力、等速性筋力、1RMなどの指標のうち6割以上で筋力が低下した。報告された筋力の低下率は様々だが(平均-6.9%)、低下率が最も大きいものでは-19.1%にもなったという報告があります。

ストレッチングの持続時間を比較すると、ひとつの筋群に対するストレッチング時間が90秒を超えると、それ以下と比較して筋力の低下が明らかになると報告されています。

それより短い時間のストレッチングについては結果にばらつきがあるものの45秒以下のスタティックストレッチングはほとんど筋力を低下させない(-3.2%)のに対し、46〜90秒では-5.6%、90秒以上では-6.1%とあきらかな低下を示しています。

ストレッチのエビデンス 市橋則明より

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このようにストレッチでも

・何を目的として行うのか

・いつ行うのか

ということが変わってきます。

静的ストレッチは可動域の拡大という点で効果的ですが、筋出力は低下することが秒数によって変化すると思われますので、運動前より運動後の方が向いていると言えますね。
(可動域を大きく使うバレエなど競技によって運動前に静的ストレッチが必要な場合もありますが)

静的ストレッチに対して動的ストレッチもあります。
これはいくつかの相反する効果があります。
こちらも後日紹介したいと思います。

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この記事を書いた人

鈴木 亮司
鈴木 亮司
頑張らないトレーニング『体芯力®』で心と身体を緩め楽に動ける身体を創るパーソナルトレーナーでありプロトレーナーを養成するTanren塾塾長。 ティップネス町田を中心に、自宅や公共施設での指導、セミナー講師、トレーナー研修業務などを行っています。 顧客には、ラグビー日本代表候補、フットサル女子日本代表、アメリカプロバスケット選手、タッチラグビー日本代表選手、日本ランキングプロボクサー、アメリカ野球独立リーグ選手などのアスリートから、80代の高齢者まで幅広く、15年でのべ約3万人をサポートしています。
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