道のない山道や整備されていない場所、あるいは暗がりや足元がおぼつかないような状況で歩くような時、じつは私たちは思った以上に普段とは違う能力を駆使し、無意識に対応している。
例えば転ばないように、時には滑らないように、崩れないように、落ちないように、とあらゆる場面にも対応できる能力は、誰しもが備えているものなのだ。
そうでなければ姿勢が維持できないのだから、姿勢(バランス)維持は本来、生命を守るための根本的な能力の働きなのだ。
前述したように、「不」自然な床や地面で生活していると、それらの能力は開発されることなく偏った癖が強くなる。
癖とは無意識なものであり、だからこそ、それは深く根付いてしまう。
その癖が、万年病といわれる肩こり・腰痛・膝痛のきっかけを作っている。
この文章はバランス専門のトレーナー小関さんは古武術研究家甲野善紀さんと協力してつくった「みちのく山道」というバランスボードの説明文にあった言葉です。
人は使わない能力はドンドン低下していきます。
都会の舗装された道では危機感もなければバランスを取る必要もありません。
自然の中で養われるべき能力が全くと言っていいほど使わなくなっています。
自然とは人間の原点です。
原点を失った状態で機械的な不自然な刺激を受けたところで本当の身体が作られるとは思えません。
不規則な刺激が自然だと思います。
身体は本来、不自然なものに対応するように出来ています。
現代人は適応力の低下が著しいと思います。
自然本来の不規則な刺激を受けて育っていない現代の環境のせいだと思います。
不規則こそ自然。
これは普段から意識することなのかもしれません。