Tanren塾塾長 鈴木亮司です。
灯台下暗し。
まさにこのことがよくわかる話をトレーナーの後輩からセミナーに出て聞いた話を教えてもらいました。
ラグビー日本代表のコーチ陣がフランス代表の身のこなしの良さにフランスに視察に行き、どんなトレーニングをしているのか?と尋ねたら
「え?
お前たちの国のアイキドウだ」
と言われたそうです。
なんとなくアメリカ帰りの運動指導者や横文字の資格を持っていたりすると良さそうに見えたりしませんか?
僕も思いっきり西洋のトレーニングや資格に憧れて染まった時期がありました。
ヨガや海外のトレーニングをするのも良いと思います。
でも日本の伝統やその類のものを先に知るべきではないかと思います。
(僕も大して知っているわけではないですけど)
日本には色々な礼儀や作法があります。
決まりごとのようなことがたくさんあります。
日本が開国したばかりのとき日本の役人が海外から訪れた役人に
「日本人は皆、同じように振る舞う。
表情もない。
日本の作法は個性を潰しているのではないか」
と言われたことがあるそうです。
確かにそうかもしれないと思ったそうです。
海外の人はリアクションが大きかったり、個性を重んじているのはわかる。
しかし日本の礼儀や作法などは
「無駄なものをそぎ落とし洗練されたものである」
と気づいたそうです。
スポーツも最終的に上のレベルに達することができる人は、
「無駄を無くす」
ができる人だと思います。
普通に考えればフットワークをよくするためには下半身の筋力をつけてフットワークのトレーニングをたくさんして素早く足を動かせるようにした方が良いのでは?と思いますよね。
例えばこちらの図。上から見た後ろに振り向く動作です。
シンプルで合理的なサムライの身のこなしを目指す体幹の改造
立ち廻り稽古会『和太刀』主催
清水大輔著より以下抜粋
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図A(上の絵)のように体幹部を一つの塊としてとらえてしまっている現代人にとっては、方向転換(この場合は180度とします)するということは、それはどんなにスピードUPしても行おうとしても、ひとつの塊が高速で回転するものだととらえてしまっていないでしょうか。
ところが、半身使いに代表されるように、図B(下の絵)のように体幹部そのものを身体の中心から左右に分割して考えた場合、向きを変えるという運動を行おうとすれば、肩関節、肋骨、骨盤などが開閉運動を伴うことにより、「塊の円運動」を「分割された各パーツの協力による直線運動」にすることが可能なのです。
結果グルリという大回りするようなイメージの動きが、あたかも「ワープ」してしまっているかのような”パッ”というものに変わっていくわけです。
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過去に様々な良いとされる今の世の中に出ているようなトレーニングはやってきました。
筋力をつけるトレーニングや、敏捷性を養うトレーニング、動きをよくするトレーニング、スタミナをつけるトレーニング、柔軟性を高めるトレーニング….
しかしどれも「本当に効いてるのか?」という疑問はぬぐえませんでした。
僕自身もこの類の研究は初心者レベルですが、日本に古来からあるものに運動法を切り替えてからは自分の身体能力は伸びる一方で、限界が見えないくらいです。
「なんでこんなに良いものが世の中に出ないのだろう?」
と不思議に思います。
価値観はそれぞれあっても良いと思いますが、自分の国のことは海外の人に聞かれたらきちんと答えられるようになりたいなぁと思いました。