Tanren塾塾長 鈴木亮司です。
小林寛道先生の著書「運動神経の科学」をここ数日読み返していたのですが、読む度に新しい発見があります。
運動神経は著しく改善できるか、ということに関して東大教授でもある小林寛道先生は長年研究されてきました。
以下「運動神経の科学」より抜粋
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運動神経を良くすることは、運動に対する
「身のこなし」や「身体の操作性」
を向上させること「正しい動作の習得」にあるということです。
「運動不器用」な人にとっては「運動器用」に変身する、ということにも繋がる。
運動会でいつもビリを走っている子供がトップを走れるようになったり、ゴルフボールを思うように飛ばせない人が確実なショットを打てるようになったり…
ただしそのためには多少のトレーニングが必要だが、そのトレーニングはある種の工夫をすれば、さして難しいものではない。
ある基本的な「身のこなし」を身につけることによって運動神経の著しい改善は可能なのである。
具体例を挙げよう。
毎年運動会シーズンになると
「足の遅い子供が速く走れる秘訣はないでしょうか」
という問い合わせが私のところに舞い込んでくる。
「東大の小林寛道先生なら何とかしてくれるかもしれない」
と紹介する人が多いらしい。
あるときNHKの「ためしてガッテン」という人気テレビ番組のディレクターがやってきて、いつもかけっこでビリの子供の足を速くする、という企画を持ちかけられた。運動会まで二週間しかない。
当時、私は新しいトレーニング方法を開発して、大人を速く走らせることに成功していた。
その話を引き受け二週間の特訓によってその子供はトップと競う成果を出すことができた。その後も同じような企画や、親子で速くなるなどのテレビ番組企画が数多く持ち込まれたが、それぞれのケースにおいてその目的は達成できた。
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以上のことから運動神経の改善は時間や頻度とは別の領域であると言えます。
また1960~1970年代にアメリカで独創的かつ科学的な教育方法と指導実績によって全米体育アカデミー賞を受けたL・E・シュヴァイガルト氏は
「動作や姿勢を改善しようとするとき、意識的な矯正運動では、従来の癖によって改善どころかさらに頑固な癖が形成されてしまう。」
と述べています。
今から半世紀近く前に
「努力と根性だけでは上手くなれないどころかさらに悪くなる可能性がある。」
という考え方が形になっているわけです。
練習方法やトレーニング方法や考え方、今一度これでいいいのか、と見直してみる必要があると思います。
神経の改善は気合いや根性とは別の領域です。
そしてこの神経の改善にいちばん大切なこと。東大名誉教授小林寛道先生も仰っていますが
「素直」さであると感じています。