「高齢化社会」
という言葉は耳慣れた言葉になってしまいましたね。
同時に「介護予防運動」という言葉も耳にします。
実はこの「介護予防運動」にも大きな矛盾が存在します。
ここから小林寛道先生の健康寿命を伸ばす認知動作型QOMトレーニングより抜粋です。
各自治体主催の健康運動教室や民間のトレーニングジムで運動しようとすると、事前にメディカルチェックが行われる場合が多い。
メディカルチェックは、医学的検査を意味し、運動を行うことに対する危険性を事前に回避するために行われる。メディカルチェックの基準に合わせて年齢にともなうメディカルチェックの不合格者の割合を算出すると、
75歳以上の高齢者では50%以上の人が不合格となることが推定される。
中略
しかし、よく考えてみれば、高齢化社会において要支援や要介護の状態を予防したり、介護度の進行を防ごうとするならば、メディカルチェックで不合格とされるような人たちを対象に体力の向上や健康の保持、向上を図ることが極めて必要なことだということがわかる。
こうした分野での研究の取り組みや、実際的な取り組みは驚くほどなされていない。現在、メディカルチェックで不合格とされるのは、その教室やスポーツクラブ、またはトレーニングジムで行われる運動の内容に適していないというためである。
運動するためには健康でなくてはできないというのが現状です。
“健康になるため”ではなく、”健康でないと”運動ができないのです。
これが今の世の中の矛盾であると思います。
そもそも一般的な運動というのは「まずは筋肉が衰えると寝たきりになるから筋肉を鍛えるために筋トレ」です。
介護予防のために筋肉を鍛えるという目的。
しかしこの筋トレをするときに怒責(どせき)、いわゆる息をこらえる、力む運動というのは血管にリスクがある人にとっては禁忌です。
高血圧症や心疾患、脳血管障害のある人は厳しいです。
健常者には問題の無いことでしょうが、血管に負担がかかります。
○○トレーニングだとか○○体操だとかインナーマッスルということは一先ず置いておいて…
問題は”怒責があるかどうか、です。
人の身体を、動きを良くするために必ずしも負荷をかける必要はないのです。
力むことをしていると力むことが癖になる、という簡単な話です。
力を抜いて動くという一見難しいことかもしれませんが、それを可能にするためには力を抜くトレーニングをする、ということです。
体芯力®︎は肩の力を抜いて背骨、肩甲骨、骨盤を柔らかく使うことを練習し、獲得することがトレーニングの目的です。
数値をあげることとは異なるので雲をつかむような感覚かもしれませんが、スムーズに自分の思った通りの動きを可能にするために1番重要なことです。