Tanren塾塾長 鈴木亮司です。
近年のマラソンブームは衰えることを知りませんね。
僕も指導の際にランナーの方を担当することが多いのですが、実はランニングは得意分野の1つです。(一応陸上部でしたし…)
昔から分析好きで、どうしたら記録が伸びるのか?を高校の時から理屈や理論を探すことをしていました。
その時に高校の先生から渡されたカールルイスなどの陸上競技の世界トップ選手を恐ろしいほどまで細かく分析したビデオが後々の師匠である東大名誉教授小林寛道先生のものとはそのときは気づきませんでした。
ランニングを始めとする陸上競技は偶然が入る余地がほとんどなく、練習の成果がそのまま反映されるため、正解か不正解かが判断しやすい競技です。
そこで今日はランニングに関する詳細なデータがありますので、紹介したいと思います。
ストレートに書くと
「足の速い人と遅い人の決定的な数値の違い」
日本のランナーと世界一流選手との差はなんでしょうか?
足の長さによる歩幅の差でしょうか?
筋力の差?
速筋や遅筋の割合などの筋肉の質の違い?
骨格の違い?
そのような都市伝説的なことを考えてしまいますが、具体的に速い遅いを分けているものはなんでしょうか?
それを具体的に書きたいと思います。
【参考データ】
金メダリストは知っていた!
スポーツ科学が明かす陸上競技の新常識
水城昭彦:著
監修:東大名誉教授小林寛道
- まずは日本の一流女子長距離選手10人と、世界一流女子長距離選手7人の5000メートルレースでの走りを分析した結果があります。
◆ベスト記録平均
日本15分14秒
世界14分46秒
◆ストライド(歩幅)
・日本161センチ
・世界171センチ
◆身長
日本は世界より4センチ高い
◆ストライド比
日本0.99
世界1.08
◆支持期(着地している時間)と非支持期(空中にいる時間)
〈日本の走り〉
支持期58%
非支持期42%
〈世界の走り〉
支持期51%
非支持期49%
日本の走りは世界の走りに比べると滞空時間が短く、その間の重心移動距離も短いのです。
5000メートルレースを走るときは空中移動距離に差が出ました。
・日本2,100メートル
・世界2,450メートル
この350メートルの違いが記録に大きな影響を及ぼしていることが考えられますね。
フルマラソン(42.195キロ)になると単純計算ですが2,500メートル程度、滞空時間に差が出ていることになります。
当然空中にいる時間は力を使いません。走路の反力を得て身体が前に進んでいます。
地面にいる時間は移動することはあまりできない上に身体を支えているためエネルギーを使います。
支持期が長いのは前に進むにしても、エネルギーの使用効率からしても悪いと言えます。
ではこの滞空時間の差を埋めるためにどのようなことが必要なのか?
それは次回に描きたいと思います^ ^