Tanren塾塾長 体芯力®︎マスタートレーナー鈴木亮司です。
目次
「脚の筋肉が走るときに使われるから太ももを鍛えるためにスクワットをやることが効果的」
ということを耳にすることがよくあります。
スクワットと言えば、やり方も様々ありますが、一般的に太ももとお尻の筋肉を強くするのに有効と言われています。
ではこの太ももの筋肉である大腿四頭筋は走るときに、どのように影響しているのでしょうか?
この大腿四頭筋は膝を伸ばすときに使われるといわれています。
走るときには「脚を伸ばせ!」ということも言われることがあるようです。
大腿四頭筋と走るときの脚を伸ばすという2つの点を研究結果においてどのような結果が出ているのか?これについて1つの結論が出ています。
東大名誉教授小林寛道先生の著書
「ランニングパフォーマンスを高めるスポーツ動作の創造」
にこれらの1つの結論が出ています。
以下抜粋です。
___________________________________________
接地時やキック時の膝の角度を分析してみるとカールルイスは膝を完全に伸展する動作を行うことがなく、軽く膝を屈曲したままで、接地からキック動作が行われている。
特にキック後半でつま先が離地する瞬間の膝角度を比較すると、疾走速度が高い選手ほど、膝の伸展度が小さいという傾向がみられた。
すなわち、膝は軽く屈曲されたままキック動作を終了した方が、素早い足の運びが可能となることを示している。
キック後半で無理に膝を完全伸展させてキック力を増大させようとしても、かえって脚の運びタイミングが遅くなり、また、膝を完全伸展させても、それほどキック力を増大させることにならないこともバイオメカニクスの物理的計算上から明らかになってきた。
————————————————
この内容からすると
「膝を伸ばそうとする力は走るときには、あまり効果が無い」
ということです。
太ももの前側の筋肉は衝撃を吸収するための筋肉としては役にたちますが、疾走速度の向上にはあまり関連がないと言えます。
むしろ膝を伸ばそうとすると走るのが遅くなる可能性が高いこともデータから言えます。
この膝を伸ばさずに前に進むということは、走るだけでなく、他の動作でも同じことが言える可能性がありますね。
(剣道やボクシングの踏み込み、テニスや卓球のステップなど)
データというものは時として真実を語ります。
運動の時の感覚というものは大切ですが、時として独り善がりになり本質からズレてしまうことも少なくありません。
スポーツ科学の裏付けがあった上で感覚を作っていくことで、確かな方向に進むことができます。(データの取り方や質もありますが、、、)
データのような左脳的に理解することと
感覚の理解である右脳的な理解とのバランスが大切だと思います。