Tanren塾塾長 体芯力®︎マスタートレーナー鈴木亮司です。
「筋肉を鍛えるとパフォーマンスが向上する」
「筋肉は柔らかい方が良い」
などなど様々なことが聞かれる世の中ですが、筋肉と腱の関連が書かれた文章がありました。
東大名誉教授小林寛道先生の
「ランニングパフォーマンスを高めるスポーツ動作の創造」
から以下抜粋です。
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- 人間の骨格筋は、腱組織を介して骨と結合しているので、筋と腱組織を合わせた「筋腱複合体」として、筋の働きをとらえることが必要である。
- 腱組織は弾性体としての性質をもち、作用する力によってその長さを変化させ、さまざまな働きに関与している。
- 例えば、関節の角度が変わらない状態での等尺性(アイソメトリック)筋力発揮では、筋の長さが変わらずに筋力発揮されると解釈されてきた。しかし事実はそうしたことではないことが明らかにされてきた。
- 等尺性筋力発揮といっても、実際は筋繊維は収縮し、その分だけ腱が伸長し、全体として長さが変わらないということである。
- 福永哲夫教授(東京大学)を中心とした研究グループでは、超音波法を用いて筋腱複合体の働きについては画期的な研究成果を次々と積み上げてきている。
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例えば、歩行運動で効率的なエネルギー発揮が行われているのは、腓腹筋が短縮性収縮することに先立って伸長性収縮が行われるためであるといわれてきた。
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目次
しかし、超音波法を用いて歩行中の腓腹筋の筋繊維と腱の長さの変化をとらえてみると、腓腹筋が活動しているときには、筋繊維の長さはほとんど変わらず、腱組織に著しい伸長がみられた。このことは、筋腱複合体が長く伸びる加速相において、筋繊維は等尺性収縮による力発揮をしており、この間に腱組織にな伸長によって弾性エネルギーが蓄積されていることが観察された。
- また反動をつけないで、膝を90°屈曲させた姿勢から全力で垂直跳を行なった場合、腓腹筋とアキレス腱の筋腱複合体では、全体の長さは第1段階では変わらないが、筋は短縮性収縮を行い、腱組織は引き伸ばされる。
- 第2段階の離地期では筋腱複合体の長さは短縮するが、筋繊維は等尺性を保ち、前段階で引き伸ばされた腱組織が短縮し、そのエネルギーで垂直跳動作が遂行されるということが明らかにされた。
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このことから察するに筋肉の柔軟性ということだけではなく、腱の柔軟性というものが大事だと言えますね。
ここでは腓腹筋だけの話ではありますが、他の筋肉の筋腱の働きも気になりますね。
この続きはまた後日に描きたいと思います。