Tanren塾塾長体芯力®︎マスタートレーナー鈴木亮司です。
ボクシングの話題、そして今回も長いです(^^;
11月7日に生中継された
井上尚弥選手のボクシング中継。
前回は井上尚弥選手と
対戦相手のノニトドネア選手の
ここまでの経緯を書きました。
今回は試合内容を観て感じたことを
書きたいと思います。
さて試合に入るにあたって
前回、前々回とその前の試合は
短すぎて井上尚弥選手の全貌が
わからないということでした。
強いのはわかるのですが、
試合時間が短すぎて
長引いたときにスタミナは持つのか?
自分が撃たれたときに
耐えられる力はあるのか?
窮地に立たされたときに
脱出する技術や
メンタルを持っているのか?
(問題が起きたときに解決できる
能力のことをボクシングIQと
言うそうです)
第1ラウンド開始。
お互い慎重に動き出しました。
少し様子を見合う形に
なっていましたが
後半から井上尚弥選手が仕掛けます。
早くも相手の動きを見切ったのか?
と感じました。
ちなみにこの試合はWOWOWの
エキサイトマッチで
井上尚弥選手本人が解説をしている
番組が放送されました。
その試合の第1ラウンドが
終わった時点で
「これは早く終わるな」
と感じたそうです。
余裕なのか油断なのか
2ラウンド目で相手の
必殺パンチ左フックを
受けてしまいます。
この時、当たりどころが悪かったため、
目にダメージを受けてしまいます。
目の上を切ってしまったうえに
視界が二重に見えてしまう事態。
試合後眼窩底骨折していたことが
発覚しました。
(眼窩底骨折経験者としては
そのまま試合続行出来たので
それほど酷いものではなかったと
推察されますが)
目の上のカットは相手のパンチを
受けて切れてしまった場合、
傷が深くなって試合続行不可能と
ドクターに判断されてしまうと
相手選手の勝ちになってしまいます。
なるべく傷のところを
打たせたくなくなるため、
攻撃がしづらくなります。
その上、相手が2人に
見えてしまう大ピンチ。
試合を辞めても不思議ではないほどの
事態。
普通ならここで焦ってしまい、
勝負を急いだり、諦めてしまいます。
しかし井上選手は違いました。
「この状態で何ができるのか?」
を冷静に考え、実行します。
このことを知ったうえで試合を見ると
冷静沈着に手堅く試合を
進めているのがわかりました。
この眼窩底骨折以降のラウンド、
右手で右目をカバーして
ほとんど左手一本で試合を
進めています。
この眼の負傷から
試合を12ラウンド最後までやる、
という想定で試合を進めて
「最後の3ラウンドで勝負に出る」
という予定通り、
10、11、12ラウンドでポイントを取りに
攻勢に出てダウンを奪い、
見事判定勝利。
ドネア選手が試合後語っていた言葉で
印象的なのは
「井上は想像以上に上手かった」
という言葉です。
短い時間での勝ちで
パンチ力やスピードが
フォーカスされていますが
ドネア選手は試合をしてみて
井上選手の技術レベルの高さに
驚いたそうです。
アスリートには
当然のことながら様々な要素が
求められます。
パワー
スピード
スタミナ
技術
メンタル
などなど。
多くのアスリートの場合、
スピードがある選手は
パワーが欠けていたり
パワーがある選手は
技術レベルが低かったり
何かが突出していると
何かが欠けるということが
普通というか当たり前というか。
井上尚弥選手は
パワー
スピード
技術
スタミナ
メンタル
とすべての要素において超一流。
今のところ欠けているものは
見当たりません。
とんでもない選手です。
井上尚弥選手は
やっぱり”モンスター”でした。
そして試合数日後に井上尚弥選手が全階級を通じてNo. 1選手に選ばれました!
リングマガジンやESPNなどのランクは3位、4位ですが、どちらにしてもトップ選手の中にいることは間違いありません。
11月7日の試合では試合序盤で眼窩底骨折をし、二重に見える視界の中で撃つにしても避けるにしても距離感が狂ったままの状況であれだけの試合をしたということが評価に含まれているようです。
今後とも井上尚弥選手から目を離せません!