ハムストリングスはなぜ大切なのか?②

Tanren塾塾長体芯力®︎マスタートレーナー鈴木亮司です。

以前の記事でなぜハムストリングスが大切なのか?について書きました。

ハムストリングスはなぜ大切なのか?①

しかし何故ハムストリングスのトレーニングが広まったのか?

ハムストリングスという筋肉がどうして注目を集めることになったのか?

これは意外と知られていないと思います。

「ハムストリングスのトレーニングが大切、必要である」

とはわかっているものの具体的に「なぜ必要なのか?」があまり知られていません。

その起源となることが小林寛道先生著者の「ランニングパフォーマンスを向上させるスポーツ動作の創造」の中に出てきます。

「速く走るのにハムストリングスが大切」このようにスポーツ界では言われていることが多いようです。これはなぜそういう風に言われるようになったのでしょうか?

じつはこのハムストリングスのトレーニングがスポーツ界に広まったことに小林寛道先生が深く関わっていたのです。

長文ですが、ハムストリングスのトレーニングについては長い長い背景があったのです。

指導者であるならば、これらのことは知っておいて損はないと思います。

東大名誉教授小林寛道先生が日本陸連科学委員会委員長(1989〜2003年)を務めていたときのお話です。

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理論的に考えてみるとストライドを生かした速いピッチで走るためには、足屈曲筋であるハムストリングスも大腿四頭筋と同程度まで強化することが大切であることに気づき、日本陸連のコーチ研究会でこのことを研究発表の形で報告した。


しかし会場のコーチの反応は


「選手を育てた経験のない研究者が変わったことを言う」


といった冷ややかなもので


「そのことを報告した論文があるのか」
「外国での実績はあるのか」


と言う質問が上がった。この質問に対して


「このことについては、まだ世界的に報告もなされていないし、自分で論文を書くには、さらに測定研究を重ねて数年先になってしまう」


と答えた。「勝負の世界は、煎じてこそ価値があり、他人の成果が出るのを待ってから取り入れては遅れをとり、トップには勝てないのに」と内心残念に思った。
しかし、中京大学の勝亦紘一コーチが


「小林寛道さんがそれほど言うのなら私の大学の選手でやってみますが、ハムストリングスを鍛えるには、どんなトレーニングをしたら良いのですか」


と質問された。


著者は「どうやってハムストリングスを鍛えるのかその方法についてはコーチの考えることだと思うが、現在のところあまり良い方法がありません。とりあえず、レッグカールをやることが効果的かもしれません。」
と答えた。

写真ウィキペディアより


その後、しばらくして中京大学から2人の短距離選手がソウルオリンピック代表に選ばれることになった。 1人は笠原隆弘選手で1988年の全日本学生選手権と日本選手権大会に優勝し、ラッキーボーイとなった。


もう一人は青戸信二選手である。勝亦コーチは、中京大学の選手にこれまで行っていなかったレッグカールを筋力トレーニングメニューの中に取り入れたところ、キック後の足の返りが非常に素早くなり驚いたこと、および、あまりにも選手の調子が良かったので、公認審判員に3人集まってもらい、100メートル記録会を行ったところ、笠原選手が日本タイ記録を出したとことを語ってくれた。


その後まもなく青戸信二選手は5年ぶりの自己新である10秒28を記録した。このこと以外、中京大学はさらに鈴木久嗣選手を加え、しばらく短距離王国を築くことになった。この頃、高野進選手(東陽台)はハムストリングスの強化の重要性を認識して、独自の方法でトレーニングを進めていた。

1991年の世界陸上東京大会でバイオメカニクス研究特別版が編成され、総勢79名の大舞台で世界一流選手の技術分析に取り組んだ。このバイオメカニクス研究の活動が日本の短距離選手の技術上の問題点を明らかにし、改善すべき方向性を示した。


カール・ルイス選手リロイ・バレル選手では、疾走中に足首の角度を大きく変化させず、キック時の膝の伸展動作もあまり大きくなく、脚全体を股関節中心に円運動をベースとした動きの中で操作していることがわかった。また、このような動きをするためには、股関節の伸展筋として機能するハムストリングスや大臀筋などが強くなければならないことが明らかとなった。


このことを契機として、股関節伸展筋群強化の必要性が広く認識されるようになり、またドイツ陸連からハムストリングスの重要性についてプロジェクト研究をした結果が報告された。
世界的にもハムストリングスが障害予防の上からも強化されるべきことがすすめられるようになった。


1991年以来ハムストリングスの筋力と短距離走成績とが相関すると言う研究結果も多く発表されるようになり、日本陸上短距離会の全体的なレベルアップがはかられる結果となった。

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以上

ハムストリングスを鍛えるのが良いとわかっていても、何が起源で理由を理解しているのといないのでは、かなりの差が出ると思います。

次回はハムストリングスがそう動作の中でどの動きで使われるのかを開設したいと思います。

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この記事を書いた人

鈴木 亮司
鈴木 亮司
頑張らないトレーニング『体芯力®』で心と身体を緩め楽に動ける身体を創るパーソナルトレーナーでありプロトレーナーを養成するTanren塾塾長。 ティップネス町田を中心に、自宅や公共施設での指導、セミナー講師、トレーナー研修業務などを行っています。 顧客には、ラグビー日本代表候補、フットサル女子日本代表、アメリカプロバスケット選手、タッチラグビー日本代表選手、日本ランキングプロボクサー、アメリカ野球独立リーグ選手などのアスリートから、80代の高齢者まで幅広く、15年でのべ約3万人をサポートしています。
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